confused me
私的には、かなり彼に伝えてきたつもりだった。

“私はここから出ないよ”“あなたから離れないよ”、そういう主張を私になりにしてきた。

やはり言語というものは難しく、直接的に伝えなければ伝わらないらしい。


「律さん」


彼の頬を両手で包む。
彼は、涙目で私を見た。


「......キス、しますね」


そう言って、彼の唇にキスをする。

思い返せば、彼は私の頬やおでこ、首にしかキスをしたことは無かった。

彼なりに、純情を守ろうとしていたのだろうが、この空間に純粋なんてものは存在しない。


「っ、なんで」


「唇にキスする意味は“その人への愛情の表れ”」


もう一度彼にキスをする。

彼をキス魔、なんて私は前に言ったが、私こそキス魔だったりするのかもしれない。


「わかるでしょう?私の言いたいこと」
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