confused me
「優里を置いて逝けるわけないのに」


「...ボスにお前を殺せと言われたら、俺も殺さないだろうな」


「深海魚の話はどうでもいいけど......あぁ、優里が僕は死なないだろうって、信じてくれていたなんて。やっぱり僕たち相思相愛なのかなぁっ...ひひっ」


気持ち悪い笑みを浮かべる。
この男は変なところで鈍感だ。

相思相愛じゃなければ、なぜあの女は出ていかない。

自ら足枷をつけて、鍵を廊下に投げ、扉を閉めていたのに。

それも食料を部屋に入れて。


「今日の晩御飯は何にしてあげようかなぁ...」


「...まだお前の母親の本を見ているのか」


「もちろん。母さんの料理を食べている優里は、昔から可愛かったからね」


「母の味は許せるのか」


「...僕のこと、まだ思い出せてないみたいだから」
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