遠い思い
5分・・・・・

10分・・・・・・・・


彼はまだ電話をしている。
楽しそうに笑い、タバコを吸っている。

私の方は一度も見ない。



「寒っ・・・・」

私は布団を体に巻きつけた。
布団をかぶっていても寒い。

寒さに絶えながら、私はただボーっと時計を見つめていた。

1分・・また1分と時間が経っていく。



20分後、彼の電話が漸く終わった。
彼は私に悪びれる様子もなく、行為を再会した。

私の体はすっかり冷えてしまっている。
そして心も冷めていた。


冷めた心で、彼に抱かれる。
冷めた心を彼に悟られないように、いつもと変わらぬ態度を装った。



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