御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
姉はアルバイト
沖重グループ―――そのビルの中にあって、そびえたつ摩天楼。
あの摩天楼のてっぺんには誰がいるのだろうと、思っていた時期があった。
今の私はその中に簡単に出入りが出来る『掃除のおばさん』だった。
私に出入りできない場所はなく、今日も契約通りに真面目に掃除をしていた。
そこが例え、私とはまったく住む世界の違う場所だとしてもこの掃除会社のIDカードは万能だった。
「眺めがいいなぁ」
晴れた日は遠い山まで眺めることができる。
ここで花火大会の花火も見えるのかなぁ。
いいなー。
そんなことを考えながら、掃除をしていると話し声が聞こえてきた。
「沖重グループの新しい社長なんだけど、宮ノ入常務の息子さんが新しい社長ですって」
宮ノ入とはまたすごいなぁ、
沖重グループよりも規模が大きい企業で財閥と言ってもいいかもしれない。
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