御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「自分に自信がないから、女にすがるんでしょう。まあ、私は優秀ですから、仕事のできない雅冬さんの代わりに戻ってもいいですが」

言い返せばいいのに言い返さず、雅冬さんは押し黙っていた。
雅冬さんのお母さんも八木沢さんもどれだけ高い能力を求めているのだろう。
十分、仕事ができることはわかっているはずなのに。
八木沢さんがいなくなった後も沖重グループの経営は安定していたし、業績だって伸びていた。
それなのに―――そんな言い方しなくても!

「何言ってるんですか!雅冬さんはすごく仕事ができます!ちゃんと見ていました。それに仕事をしている雅冬さんは真面目でかっこいいんですよ!」

「ばっ…馬鹿か!直真に何を言ってるんだ!」

「それに雅冬さんは私にすがってなんかいません。ちょっと誤解があってケンカしただけです」

「菜々子」

「そうですよね?」

「ああ」
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