御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
プロポーズ

「宮ノ入常務が左遷!?」

宮ノ入本社だけでなく、沖重グループにも激震が走った。

「常務は八木沢さんが兼任で宮ノ入常務は海外支店の副支店長になるんですって」 

「海外支店の副支店長になんて、海外の経験がない常務にしたら、お飾りのポジションじゃない」  

「だから、左遷よ!」 

「なんでも、宮ノ入の名前を使って、契約先に圧力をかけていたのが、バレたらしいわ」  

「うわ、最低ね」

大騒ぎだった。
そんな騒ぎの中でも、雅冬さんは我関せずといった態度を貫き、淡々と仕事をしていたせいか、その騒ぎはすぐに収まった。
私はまた社長秘書として戻り、雑用をこなしている。
けれど、あれ以来、凛々子とは顔を合わせたくなくて、受付を通らず、会社の駐車場側にある裏口から入っているから、会っていない。
< 103 / 170 >

この作品をシェア

pagetop