御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「別に認めてもらわなくても構わない」

ぶるぶると凛々子は震え、涙を浮かべた。

「あなたなんか、大嫌いなんだからっ!」

そう言い捨てると、凛々子はバンッと社長室から飛び出して行った。
な、なんだったの。

「あの、今の……」

「また聞いていたのか?」

「わざとじゃないですよ!」

「お前、妹から好かれているんだな」

思いもよらないことを雅冬さんは言った。

「そんなわけないです!だって、いつもバカにするし、嫌がらせするし!」

雅冬さんはやれやれとため息をついた。

「俺も今、話して気づいたくらいだからな。あいつの愛情表現は歪みすぎだろ。まあ、本心を聞いてみたらどうだ。俺がそう思っただけで勘違いかもしれないしな」

「はあ」

本当かなー。
凛々子は私を嫌いだと思っていたけど。
第一、私のことを好きなら、なんで私が嫌だと思うことをするのかわからない。
スマホの着信拒否を解除した。
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