御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「どうして?」
「こんなっ……」
凛々子は泣き出した。
「菜々子は私の側にいないとだめなんだから!絶対に邪魔してやるっ!」
えっ、ええええ?
ちらりと雅冬さんを見た。
やれやれとため息を吐いた。
「お前、今まで菜々子を奪われないように周りの男を排除してきただろ」
「うるさいわね!あんな簡単に騙されるような男が菜々子に相応しいわけないでしょ!」
「俺は騙されなかったけどな」
「凛々子、私のことを嫌いだと思っていたんだけど」
「違うわよ」
鼻をすすりながら、凛々子は言った。
「私、友達なんかいないし、菜々子しか本当の自分を見せれないし、親も嫌いだし、大学だって私に譲ってくれたでしょ」
「友達いるじゃない。一緒に飲み会に行ってる子とか…」
「あんなの、友達じゃないわよ。誰も本心なんか話さないわ!」
本心ね……。
隣の雅冬さんは軽く引いていた。
ですよね……私もだよ。