御曹司社長は恋人を溺愛したい!
今度、お礼を言っておこう。

「来週には出す。これで正式な夫婦だ」

凛々子の顔が赤くなった。

「もういいだろう。帰るぞ」

「ちょっとっっ!それを見せたかっただけじゃないの!?」

「そうだ」

即答だった。
なにこのやりとり。

「凛々子、雅冬さんはただ好きっていうだけじゃなくて、もう家族なの」

「私のことはどうでもいいの!?」

「どうでもいいわけじゃないけど。凛々子は私の妹だよ。これからも。だから、何かあったら相談してもいいし、会いにきてもいいから」

「………着信拒否はやめてよ」

けっこう、連絡をとれなかったことは、こたえていたようだった。

「わかったわ」

凛々子は泣きながら、小さい声で言った。

「言いたくないけど……結婚、おめでとう……」

「ありがとう」

今までのことを許せたわけではなかったけれど、祝福の言葉は素直に受けとめることができたのだった―――雅冬さんのおかげで。

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