御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「お気楽ですね。私は宮ノ入に引き取られた時、随分嫌がらせを受けたので、正直、その会には有里を出席させないようにしていますが」
有里さんはうんうん、と頷きながら言った、
「私はいいんですけどねー」
八木沢さんは何か言いたそうに有里さんを見ていた。
「なるほど。俺もそうしようかな」
「雅冬さんはできないでしょう」
「なんでだ?」
きょとん、と雅冬さんが聞き返すと八木沢さんは
「聖子さんがリーダー的存在なんですよ?息子の嫁なら、次期会長にって話になるでしょうからね」
「えっ!無理ですっ!」
そもそも、そんな聖子さんがリーダーの会に行って、無事にすむとは思えない。
「有里さんは行ったことあるんですか?」
「ありますよ。最初は招待状がきたんですが、最近は滅多に来なくなりましたね」
「有里が行くと、お嬢様育ちの奥さま方は話が合わなくて退屈らしいですよ」
八木沢さんがやんわりと補足した。