御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
真剣な顔で、きっぱり言い切った雅冬さんに奥様達から笑い声が起きた。

「変わるものねぇ」

「貴子おば様は変わらず、お若いですね。カナダに移住されると副社長からお聞きしましたよ。寂しくなりますね」

「まあ、お上手ですこと。瑞生さんも雅冬さんくらい社交的ならね」

「瑞生の足りない部分は直真が補いますから」

「あなたは自分の評価は低いけれど、私はあなたのその明るく素直なところは誰よりも勝っていると思っていますよ」

「ありがとうございます」

軽やかに雅冬さんは話し、慣れた様子で奥様達に声をかけ、私を紹介して回った。
一通り、紹介し終わると、場はもう和やかな雰囲気で皆はお茶を楽しむことができた。
すごいなあと思って微笑んで雅冬さんを見ると、にこりと笑い返してきた。
この素直な笑顔の破壊力ときたら。
ただ雅冬さんは聖子さんとだけは目も合わさず、口も利かなかったのだった―――



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