御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
真相
「温泉旅行に行ってきたんですか」
温泉旅館から帰った日曜日の午後、有里さんがお茶に招待してくれた。
そのお礼と言うか、雅冬さんが急に仕事を休んだお詫びもかねて温泉のお土産を持ってきた。
「雅冬さんが途中で帰ってしまって……迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした」
「それで、あのバカはまだ部屋で寝ているんですか?」
「はい、疲れたみたいで」
八木沢さんは呆れた様子だった。
「まあ、必要な仕事は終わらせてありましたから、別にいいですよ」
夕飯をどこかの店で食べるはずが、温泉まで連れてかれ、帰ってきたのは日曜日の朝だった。
雅冬さんはけろりとした顔で嘘はついていないと言ったけれど、結局、連泊した。
なぜか、私が酷い目にあっただけのような気がするのは気のせいだろうか。
「菜々子さん、なに飲みます?緑茶、紅茶、コーヒー、コーラがありますけど」
うん?コーラ?