御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「なんのこと?」
「とぼけないで頂きたい。今回の帰国には裏がある」
有里さんはスマホを操作し、撮った画像を加工し、八木沢の顔を隠したものを作るとパソコンのメールアドレスに送っていた。
「私がなにも調べていないとでも?あなたのお祖父様、前副社長が保有している宮ノ入の株はこちらで購入させてもらいましたよ」
「なんですって!?」
「理由をお話したら、快諾《かいだく》してくださいました」
「そんな!」
「おおかた雅冬さんと私が持つ宮ノ入グループの株を手にいれるつもりだったんでしょう?」
冷えた目が綾香さんを睨み付けていた。
「それは」
「こちらを敵に回すとはいい度胸です。今回の件は会長にも伝えた上で、その処遇を決めさせてもらいますよ。あなたをそそのかした人間にもそう伝えなさい」
「会長に報告!?」
「当たり前です。社長である瑞生様を蹴落とそうなど、言語道断。絶対に許しません」
すっと八木沢さんは玄関を指差した。
綾香さんはなにも言い返せず、唇を震わせながら真っ青な顔で部屋から出て行った―――
「とぼけないで頂きたい。今回の帰国には裏がある」
有里さんはスマホを操作し、撮った画像を加工し、八木沢の顔を隠したものを作るとパソコンのメールアドレスに送っていた。
「私がなにも調べていないとでも?あなたのお祖父様、前副社長が保有している宮ノ入の株はこちらで購入させてもらいましたよ」
「なんですって!?」
「理由をお話したら、快諾《かいだく》してくださいました」
「そんな!」
「おおかた雅冬さんと私が持つ宮ノ入グループの株を手にいれるつもりだったんでしょう?」
冷えた目が綾香さんを睨み付けていた。
「それは」
「こちらを敵に回すとはいい度胸です。今回の件は会長にも伝えた上で、その処遇を決めさせてもらいますよ。あなたをそそのかした人間にもそう伝えなさい」
「会長に報告!?」
「当たり前です。社長である瑞生様を蹴落とそうなど、言語道断。絶対に許しません」
すっと八木沢さんは玄関を指差した。
綾香さんはなにも言い返せず、唇を震わせながら真っ青な顔で部屋から出て行った―――