御曹司社長は恋人を溺愛したい!
番外編
会いたいのは一人だけ
海外支店から、戻された時は正直、従兄の瑞生を恨んだ。
俺は母親が苦手というより、嫌いだ。
昔から、従兄達と競わせては一番でなければ、叩かれ、閉じ込められた。
母親のヒステリックにはうんざりだ。
だから、高校からは海外の全寮制の進学校に入った。
レベルの高い学校だったせいか、両親は反対しなかった。
やっと親から離れられたと喜んでいたら、子会社の社長にされた挙げ句に階数と部屋は別だが、両親が住んでいるマンションに住居を決められた。
最悪だ。
マンションの窓から、暗い海を眺めていた。
マンションから、見える海と夜景だけは好きだった。
夜の海を見ているとあいつを思い出す。
真嶋菜々子
「あいつ、面白いよなあ」
最初は高校生かと思っていただけに着飾らせた時は言葉がでなかった。
ちゃんとした服装をすれば、変わるもんなんだな。
正直言って可愛かった。