御曹司社長は恋人を溺愛したい!
昨日の人だとわかったけど、なんか疲れているみたいだった。
今日は今日で、またなんかあったのかな。
サラリーマンって大変そうだなあ。

「また海を眺めているんですか」

声をかけると、ゆっくり振り返った。

「なんだ。お前か」

「お疲れですね」

「大人にはいろいろあるんだよ」

たいして年齢変わらない気がするんだけど。
まあ、いいか。

「よかったら、カツサンドとフライドポテトたべます?」

はい、とカツサンドを一切れあげた。

「ちゃんとご飯、食べないと元気でないですよ!」

「はあ、バイトに励まされるのか」

「バイトをバカにしないでくださいっ!」

「してない。がんばってるな。少なくとも俺の会社の秘書室より、仕事しているよな」

うん?
なぜか、今日の秘書達を思い出した。
あんな人達がいたら、確かに仕事に集中できないかも。

「秘書室あるんですか」

「ああ。―――って名刺を見ろよ!」
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