御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「またご贔屓(ひいき)になさってくださいね。お母様ともども」

一瞬、嫌そうな顔をしたけど、すぐに元に戻り、にこやかに笑った。

「母に伝えておきますよ」

席に案内されると、ワイングラスが置かれた。

「飲めるのか?」

「はい。20歳過ぎてるので」

「そういえば、いくつだ?」

「24歳です」

「そうか。着飾ったら、もしかして20歳以上なのかと思っていた。やっぱりな」

やっぱり子供と思われていたようだ。
わかってたけどね……。
呪文みたいなワインを雅冬さんは頼み、それを口にすると甘口で飲みやすいワインだった。
なんていうか、女の人を扱いなれてるなぁ。
この顔だもんね。
絶対にモテてたよ、これは。
お金持ちな上に顔がいいって、天は二物を与えずって嘘だね!

「なにをにらみつけているんだ?」

「気のせいです」

思ったことを口にできるわけもなく、誤魔化すようにワインを飲んだ。
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