御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「だから、それは前の名刺だ」

ごそごそと内ポケットから新しい名刺をとりだし、渡してくれた。

「沖重グループ……社長……」

まじまじと雅冬さんを見ると、物凄く得意そうな顔をしていて、なんだか腹が立った。
こっちの気も知らないで。
なんなの、その顔は…。

「社長、そちらの掃除スタッフは社長のお知り合いですか」

鬼みたいな顔でこっちを睨んでいる。
秘書達はメイクがばっちり決まっているせいで、すごい迫力があった。

「そうだ」

「どんな関係ですか」

「恋人かな」

さらっと雅冬さんは答えた。

「違います!」

思わず、手で制止した。

「はあ?一緒にご飯食べに行って、キスしただろ?」

それだけで!?
いやちがう!そうじゃない!
頭の中が混乱していた。
秘書達は驚き、余計に殺気立った。
私、こ、殺されるんじゃ。

「また遊びに行く約束もしただろ?」
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