御曹司社長は恋人を溺愛したい!
大奥みたいに毒を盛られて、殺されるわっ!

「わかった。俺がモテモテだから、嫌なんだろ」

冷めた目で雅冬さんを見た。

「そのおめでたい思考回路が羨ましいです」

「こらっ!社長になんてこと言うんだ!」

後ろの部長が怒っていた。
怒りたいのはこっちのほうだ。 

「うん?なんか、どこかで見たことあるような」

「きっ、気のせいです!」

受付にいる凛々子を思い出したのだろう。

「気のせいか?」

けど、私はスッピンで凛々子はメイクをばっちりしているから、似ている人くらいですんだようだった。
よかったのか、悪かったのか。

「よし!今いる秘書を全員クビ。で、こいつだけ雇っておけ。解決したな」

「社長!困りますよ!宮ノ入常務の奥様になんて言えば」

「俺から連絡しておく」

ずるずると引きずり出されそうになり、慌てて眼鏡とマスクをした。
妹の凛々子に会うと、余計面倒なことになる。
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