御曹司社長は恋人を溺愛したい!
女子社員にものすごく人気があったけれど、結婚してしまい、社内は一時お通夜状態になった。
あんな人と結婚するなんて、よっぽど仕事ができて、美人で、素敵な女の人なんだろうなぁ。
すごいなあ。
ま、私にはまったく無縁な話だけどね。
モップで床をこすりながら心の中でタイ焼きの歌を歌っていると、わらわらと綺麗な女の人達がエレベーターから降りてきた。
ちょっと近寄っただけで、デパート一階の化粧品売り場の匂いがした。

「雅冬さんのこと、皆さん、しっかり頼むわね」

聖子(せいこ)おばさま、任せて下さい」

「社長は私達がしっかりサポートしますわ」

「まあ、頼もしいこと」

これが噂の良家のお嬢様集団か。
ふむふむ。
あの聖子おばさま、と呼ばれていた人が宮ノ入グループの常務の奥様で新しい社長のお母さんね。
全員、秘書室へと入って行った。
おばちゃん達に報告しなければ!
絶対にみんなが食いつくネタだし。
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