御曹司社長は恋人を溺愛したい!
両親達
目が覚めると、隣に雅冬さんがいた。
「……ん、菜々子、起きたのか」
眠そうに体を起こし、抱き寄せると、何度もキスをした。
名残り惜しそうに顎を肩の上に置き、なかなか離してくれなかった。
「あの……明日仕事ですよ」
「……わかっている」
不機嫌そうに返事をした。
まったく、変なところで子供っぽい。
「家まで送る」
車のキーを手にして言った。
「ありがとうございます」
時計を見るともう電車がなかったので、ありがたく、その申し出を受けた。
「運転できたんですね」
地下駐車場には高級な車がずらりと並んでいた。
「まあな。国際免許もあるぞ」
得意顔で頷いた。
スーツではなく、ラフな格好をしているの見るのも悪くない。
家に着くと、腕を掴み雅冬さんは言った。
「一緒に暮らさないか。菜々子の親にも挨拶するから。考えておいてくれ」