御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「すぐに連絡しろよ!なにしてたんだ!」
なぜか、怒鳴られ、運転手さんがまあまあ、と雅冬さんをなだめてくれた。
運転手さんは荷物を素早くトランクに入れた。
「……すみません」
「謝るな」
イライラとした口調で雅冬さんは言い、私を車に押し込んだ。
「俺の両親が会社にきたんだろ」
「はい」
「何を言われた」
「私がマンションに出入りするのは嫌だって。ふさわしくないって言われました」
「それは俺が決めることだ」
運転手さんの表情も険しい。
「引っ越すか」
「え?」
「別にあのマンションじゃなくてもいい。今日はあのマンションしか行けないから、我慢しろ」
冷えた目をしていた。
「なにが妹なら、結婚していい、だ。結婚するのにババアの許可なんかいるか」
私の両親にも言われたはずだ―――きっと非常識なことを言う親だと思われたに違いない。
「すみません」