御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
遠くにはビルが白く霞んでみえる。

「お腹すいた」

そういえば、昨日の夜から何も食べてない。
テーブルの上にケータリングのメニューが置いてある。

「値段、書いてないの!?」

なにこれ、怖い。
しかも、私が知っている出前じゃない。

「カツ丼とか、ラーメンじゃないよ!?」

イタリアンやフレンチ、和定食、中華セットは有名中華料理屋から。
出張料理サービスまである。
静かにそのメニュー表を見ていた。
ぐうの音もでない、これは。
とりあえず、お粥と冷蔵庫に入っていたプリンを食べるしか、選択肢はなかった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「それで何も食べてないのか!?」

「食べました。お粥とプリンは」

約束通り、雅冬さんは早く帰って来てくれた。

「好きなの頼めよ!」

「無茶言わないで下さい!」

こっちは庶民だよっっ!!
当り前みたいに食べれるわけない。
悲しみで顔を覆った。
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