御曹司社長は恋人を溺愛したい!
「やめろよ!直真は瑞生の片腕だ。もう立派な宮ノ入の一員だなんだぞ!」

「愛人の子にすら勝てないの?」

冷たい声がした。

「雅冬、強がっているけど、暗いところはもう平気なのかしら」 

「当たり前だろ」 

「そう」 

笑いを含んだ声がした。
なんの話!?
パチンと電気が消え、向こう側が暗くなる。

「ほら、どうしたの?動けないじゃない」

ガラガラとクローゼットが開けられる音がした。
これは―――
バンッと寝室から飛び出し、急いで電気をつけ、雅冬さんのお母さんをドンッと突き飛ばした。

「なにしているんですか!」

雅冬さんを見ると、青い顔をして額に汗を浮かべていた。

「あなたっ!何をするのっ!」

「出ていってください。あなたがやっていることは虐待ですよ!」

「しつけよ」

「そういう言い訳をよくできますね。自分の子供を苦しめておいて。出口は向こうです。ご案内しましょうか」
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