魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<遊園地・湖・その2>

湖の中央は・・静かだった。

「リセ・・
俺の事をどのくらい知っているのだ?」
ダリウスが問いかけた。

サングラスで、視線の動きがわからない。

リセは、教師の質問に答える生徒のように
「引き継ぎ書には、いろいろ書かれていましたが・・
そうでない所もわかりました」

「そうでないとは・・?」

「ダリウス様は読書家で、とても勉強をなさっています。」

「その根拠は?」

「ベッドの下に、本が山ほど積んでありました
バーナムの魔術書は高等魔術の本ですし、
哲学や幾何学も多いように見えました」

「いつ、知った?」

リセは少し口ごもったが
「ダリウス様のベッドで休ませていただいた時・・
ベッド脇で靴を取った時に、
本が見えました」

「他には?」

ダリウスは、
口頭試問する面接官のように聞いた。

「ナイフを常に3本は所持されています。
攻撃・接近戦に強いタイプです」

足、腰のベルト、もう1本は上着に仕込んでいるか・・
それ以外にも催涙スプレーとか、
いろいろあるかもしれない

ただ・・
本当は優しい人なのだろう・・・
リセは、
それを言うかどうか、迷ったが

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