魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)

遊園地の試験・食事

<遊園地・食事・その1>

湖のほとりのベンチで
二人は並んで座った。
風が吹き抜け、鳥のさえずりが、
時折聞こえた。

「いい場所だな・・静かだ」
ダリウスはコーヒーを一口飲むと、独り言のように言った。

護衛は、食事をすぐにすませなければならない。

学校時代、鬼系男子は昼休みに
5分で食事を終えて、
遊びに行った。

リセは早く食べられなくて・・・
それ以来
昼食はシナモンクッキーにすることにした。

そもそも護衛が、主人と一緒に食べる事はないのだが・・・

リセはベンチの脇にコーヒーのカップを置き、
膝の上にハンカチを広げた。

ダリウスが食べ終わったら、
すぐに動かねばならない。

好物のシナモンロールは、
ハンカチに包めば持って帰れるし・・

「お前はこの仕事が終わったら、
どうするのだ?」

ダリウスがホットドックを
半分ほど食べ終わった時、
いきなり質問をしてきた。

リセは、少し冷めたコーヒーを
一口飲んだ。
「何も決めていないので・・
仕事を探します」

< 36 / 54 >

この作品をシェア

pagetop