魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<遊園地・食事・その2>

ダリウスは
リセの膝の上の
シナモンロールが手つかずなのに、気が付いたようで

「どうした、食わないのか・・」

リセはうつむいて言った。
「私は食べるのが遅くて・・
申し訳ございません」

それだけではない、ネコ舌だ。

「かまわない・・ゆっくり食べろ、今日は時間がある」
ダリウスは湖を見ながら言った。

「ありがとうございます」
リセはそう言って、
シナモンロールを両手に持って、
一口かじった。

本当は・・
リセも空腹だったのだ。

口内にシナモンの香りと、
アイシングの砂糖の強烈な甘さが広がる。
そして苦いコーヒーが、
その甘さを和らげてくれる。

<マリアージュ>
シナモンとコーヒーの香りと
苦み・・
その後にくる
アイシングの甘い余韻・・・

全く異なる組み合わせなのに、
なんてすばらしいのだろう。

リセはちょっと感激して、
リスのように、もそもそ食べ始めた。

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