魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<遊園地・ホラーハウス・その3>

「おまえ・・大丈夫か・・?」
「ううう・・ヒック…グス・・」

リセは半泣き状態で、なんとかうなずいた。
悲鳴を上げすぎて声が出ない。

「ホント、怖がりなんだな・・」

ダリウスは、
泣いているリセの頭を軽くポンポン叩いた。

リセはハンカチで目をぬぐいながら

「小さい頃・・叱られると・・
地下室に閉じ込められて・・」

薬草の分量を間違えた時、
祖母はリセを地下室に閉じ込めた。
それだけではない、

魔法で大蛇やオオカミ、
ドラゴンなどの幻影をリセに見せて脅したのだ。

「帰りの運転は・・無理だな」
そう言って、
ダリウスはリセに助手席に乗るようにドアを開けてくれた。

ホテルの駐車場に着くと、
リセはすぐに車から降りて、ダリウスに深々と頭を下げた。

「申し訳ございません」
ダリウスは小声で、リセの耳元でささやいた。

「明日もちゃんと来るんだぞ」

まるで、
学校に行くのを嫌がる子どもに、
言い聞かせるように・・・

そして、部屋に戻って行った。

リセは・・・
ダリウスの後ろ姿を、ずっと見送っていた。

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