エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「あの夜、俺は森尾に慰められて、心が軽くなった。酒に溺れるほど傷ついたしょうもないプライドを、森尾が救ってくれたんだ。感謝している。自分を責めないでくれ」
(責められて当然なのに、感謝って)
布施の反応が予想と真逆であったため、瑞希は戸惑う。
喜んでいいのかもわからず、目を瞬かせたら、布施が切なげに目を細めた。
「小堺から聞いた。俺が子供の父親だと誰にも言わなかったそうだな。全てひとりで抱え、随分痩せたとも……。国外に逃げた俺の方こそズルい卑怯者だろ。日本にいたなら、気づいて森尾を支えられたのに」
「布施さん……」
瑞希の唇が震えだし、噛んで涙をこらえようとした。
つらかった妊娠期間が思い出される。
上司や同僚たちを戸惑わせ、中にはさげすむように見てくる人もいた。
ひそひそと陰口を叩かれていたのも知っている。
精神的に参っていたせいかつわりも重く長く、倒れそうになりながらも、職場に迷惑をかけないようにと業務量は減らさなかった。
(責められて当然なのに、感謝って)
布施の反応が予想と真逆であったため、瑞希は戸惑う。
喜んでいいのかもわからず、目を瞬かせたら、布施が切なげに目を細めた。
「小堺から聞いた。俺が子供の父親だと誰にも言わなかったそうだな。全てひとりで抱え、随分痩せたとも……。国外に逃げた俺の方こそズルい卑怯者だろ。日本にいたなら、気づいて森尾を支えられたのに」
「布施さん……」
瑞希の唇が震えだし、噛んで涙をこらえようとした。
つらかった妊娠期間が思い出される。
上司や同僚たちを戸惑わせ、中にはさげすむように見てくる人もいた。
ひそひそと陰口を叩かれていたのも知っている。
精神的に参っていたせいかつわりも重く長く、倒れそうになりながらも、職場に迷惑をかけないようにと業務量は減らさなかった。