エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~


 真野の言葉が胸に刺さる。


「真野ちゃん、ありがとう。私も布施さんを信じたい」

『信じる、じゃなくて信じたいなんだね。まぁ少し前向きになったようだから、よしとするか。それじゃ、また電話するね』


 電話が切れたら、瑞希は携帯電話のアルバムを開いた。

 赤ちゃんから今までの海翔の写真は、ここにあるだけで三百枚近い。

 この前、布施に頼まれてアルバムの中の数十枚を彼に送った。

 そして最新の写真は、布施と海翔の親子ツーショット。

 背景はこの部屋で、布施に抱っこされて嬉しそうな海翔と目を細めて息子を見つめる布施が写っている。

(特別な瞬間だと思って撮ったけど、結婚して一緒に暮らしたらこれが日常になるんだろうな。海翔が傷つくことを恐れるより、この笑顔がずっと続くことを信じてみたい)

 勇気を出さないとと、写真の布施を見つめる瑞希であった。


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