エリート外交官の激愛～秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています～
愛を叫べ
「ママ、見てー！」

「見てるよー」


　今日は冬晴れの日曜日で、ウサギのキャラクターで有名なテーマパークに来ている。

　メリーゴーランドではしゃぐ海翔に、瑞希は柵の外からカメラを向けていた。

　海翔がまたがる白馬の横に立ち、落ちないよう支えているのは布施である。

　瑞希が日曜の休みを取れたので、ようやく親子三人でのレジャーが実現した。

　その予定を話した時の海翔の喜びようは、言うまでもない。

（晴れてよかった。雨で中止にしたら大泣きされるもの）

　白馬が瑞希の前を通るたび、満面の笑みを浮かべた海翔が「ママー！」と大声で呼んでくれる。

　手足をばたつかせる海翔が落ちないかと、布施がハラハラしているのも微笑ましかった。

　メリーゴーランドを楽しんで、次はウサギのキャラクター『ラパン』の家に行く。

　乗り物ではなくカラフルで夢一杯な大きなおもちゃのような家の中を見て回るのだが、出口の前に写真スタジオがあって着ぐるみのラパンと一緒に写真を撮ることができる。

「ラパン！」

　興奮して駆け寄った海翔であったが――。

　いつも知り合いに会ったら挨拶するように教えているためか、ラパンの前でピタッと立ち止まった海翔が、きをつけの姿勢からペコッと頭を下げた。

「こんちはー」

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