エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 海翔と同じくらい、楽しみにしていたのだ。

 今も喜びが溢れないよう押さえている状態で、加えて初めての三人でのレジャーに緊張も味わっているというのに、布施が平静なのが悔しい。

(ドキドキしているのは私だけ?)

 けれども――。

「はーい、撮りますよ。お父さん、もっと笑ってください。緊張しないでリラックスですよー」とカメラマンが声をかけたので、瑞希は驚いた。

(えっ、布施さんも緊張してるの?)

 ラパンと親子三人の写真は、瑞希が布施を気にしたため横顔になってしまった。



 息がほのかに白い。

 寒くても日曜日のテーマパークは盛況だ。

 幼児向けアトラクションを四か所回れば、昼食時になった。

 園内にレストランやカフェが数か所あるが、覗いた限りどこも入店待ちの列ができている。

 海翔を連れて並ぶのはしんどいので、取りあえずワゴンで軽食を買いレストランは空いた頃に入ろうということになった。

 ちょうど目の前のベンチが空いたため、瑞希と海翔は座り布施がワゴンにチュロスなどを買いに行ってくれる。


「海翔、ここで少し待ってようね。寒くない?」

「あちゅい。ぬぐ」

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