エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「信じてくれたのか?」という布施の確認に、「はい。信じます。二度と疑いません」と早口で答えた。

「それなら返事をくれ」と催促する布施の声は弾んでいる。

(みんな見ているのに!? 布施さんはどうして平気なの!?)

 後にしましょうと言おうとしたその時、ドーンと大きな破裂音が響いた。

 布施の肩越しに見えるのは、パークの中央にそびえているグリム童話に出てきそうなメルヘンな城。

 その後ろに花火が上がっていた。

 ワッと湧いた拍手と歓声は、瑞希と布施の抱擁に対するものではないようだ。

 周囲の関心が一気に花火に持っていかれて、瑞希はホッとした。

 すると喜びとおかしさが同時に込み上げる。

 フフッと笑い声を漏らせば、訝しげに顔を覗き込まれた。


「笑ってすみません。だって布施さん、こんな所で叫ぶんですもの焦りましたよ。まさか布施さんが、そんな情熱的なことをするなんて。驚きです」

「まぁ、普段の俺なら絶対にしないことだな。実は、小堺に――」


 ばつが悪そうに布施が顔をしかめている。

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