エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
潤一の邪魔をしないように余計な口を挟まなかったのと、不機嫌な海翔の世話を優先させたため、大人しく見えたのかもしれない。
従順でもないのだが、可愛いと言われて悪い気はしない。
なにより夫の自分への愛情が他人にも伝わるほどだったことには、嬉しくてニンマリしてしまう。
けれども、気分はすぐに害される。
金子がブノワに笑って言った。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、ということだな」
「なんですか?」
「日本のことわざだよ。布施は奥さんに弱い。ならばまず奥さんを落とす。そういうことさ」
瑞希が思いきり顔をしかめたら、地面に集中していた海翔が「いた!」とはしゃいだ声を上げた。
「ママ、ダンゴ虫、いたよ!」
「よく見つけたね。ここのダンゴ虫、おうちに連れて帰れないから見るだけだよ」
(使うとか落とすとか、人をもの扱いしてなんなのよ)
海翔の声で、金子とブノワが振り向いた。
瑞希と視線が合うと、マズいと言いたげに驚いていたがそれは一瞬だけ。
ふたりは瑞希に笑顔で手を振りつつ、声も潜めずに密談する。
「焦る必要はなかった。彼女は日本人だ」
従順でもないのだが、可愛いと言われて悪い気はしない。
なにより夫の自分への愛情が他人にも伝わるほどだったことには、嬉しくてニンマリしてしまう。
けれども、気分はすぐに害される。
金子がブノワに笑って言った。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、ということだな」
「なんですか?」
「日本のことわざだよ。布施は奥さんに弱い。ならばまず奥さんを落とす。そういうことさ」
瑞希が思いきり顔をしかめたら、地面に集中していた海翔が「いた!」とはしゃいだ声を上げた。
「ママ、ダンゴ虫、いたよ!」
「よく見つけたね。ここのダンゴ虫、おうちに連れて帰れないから見るだけだよ」
(使うとか落とすとか、人をもの扱いしてなんなのよ)
海翔の声で、金子とブノワが振り向いた。
瑞希と視線が合うと、マズいと言いたげに驚いていたがそれは一瞬だけ。
ふたりは瑞希に笑顔で手を振りつつ、声も潜めずに密談する。
「焦る必要はなかった。彼女は日本人だ」