エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「金子さんの噂は聞いている。新薬認可の件で来日しているという話だったな。なんの力も貸せないが、俺に直接言えばいいものを。巻き込んですまなかった」

「巻き込まれそうになったのは潤一さんの方です。私は大丈夫。はっきりお断りしましたから。私は馬じゃない、と言ってやりました」


 瑞希がおどけて肩をすくめたら、潤一がプッと吹き出した。

「頼もしい妻だ」と肩を抱き額に唇を寄せるから、瑞希の胸が高鳴る。

「おとーしゃん、海翔も!」

 潤一は抱っこをせがむ息子を軽々抱き上げると、小さな額にもキスをする。

 それから再び瑞希の顔に唇を近づけ――。


「潤一さん、待ってください! ここだと人目が……」

「参加者の半数は欧州からだ。濃いスキンシップは見慣れているだろ」

「そうかもしれませんけど……あっ」


 瑞希の頬にチュッと唇が当たる。

「もうっ……」

 恥ずかしがる妻を、夫が愛しげに見つめていた。



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