エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
先週日本にいる祖父母から贈り物が届き、海翔は今日それを学校に持っていった。
それは日本で開発されたという、消せるボールペン。
熱を加えると透明になるインクが使われており、ペンのお尻でこすれば摩擦熱で書いた文字を消せるという品だ。
海翔の学校では筆記用具は鉛筆ではなくペンと決められているので、重宝しそうである。
そのペンを、ルシアンに貸してと言われたらしい。
「ルシアンは体が大きくて力が強いんだ。大事なペンを壊されるかもしれないと思って、貸さなかった。そうしたら――」
ルシアンが怒って、もう遊ばないと言ったそうだ。
海翔が泣きそうなのをこらえている。
「一回だけ、貸せばよかったかな。もう、一緒に遊べないかも……」
夫婦は顔を見合わせた。
潤一は口角を上げ、瑞希は頷いている。
ふたりとも、『なんだ、そんなことか』と言いたげだ。
「大丈夫だよ」と瑞希が言い、潤一は息子にアドバイスする。
「学校に戻ったら、ルシアンにこう伝えてごらん。大事なものだから貸せないけど、一緒に遊びたいって」
海翔はキョトンとしている。
「それだけ?」
それは日本で開発されたという、消せるボールペン。
熱を加えると透明になるインクが使われており、ペンのお尻でこすれば摩擦熱で書いた文字を消せるという品だ。
海翔の学校では筆記用具は鉛筆ではなくペンと決められているので、重宝しそうである。
そのペンを、ルシアンに貸してと言われたらしい。
「ルシアンは体が大きくて力が強いんだ。大事なペンを壊されるかもしれないと思って、貸さなかった。そうしたら――」
ルシアンが怒って、もう遊ばないと言ったそうだ。
海翔が泣きそうなのをこらえている。
「一回だけ、貸せばよかったかな。もう、一緒に遊べないかも……」
夫婦は顔を見合わせた。
潤一は口角を上げ、瑞希は頷いている。
ふたりとも、『なんだ、そんなことか』と言いたげだ。
「大丈夫だよ」と瑞希が言い、潤一は息子にアドバイスする。
「学校に戻ったら、ルシアンにこう伝えてごらん。大事なものだから貸せないけど、一緒に遊びたいって」
海翔はキョトンとしている。
「それだけ?」