放課後ランディング
夏慧は、自分が怪我した時に

先輩にアドバイスされたいくつかを

思い出してみた。



「……」



よし! あれにしてみよう



「大樹、時間ある?」

「ん〜、ナニ?」

「こっち、こっち! あぁ、……歩ける?」

「ゆっくりなら」



教室を出て、廊下の端まで歩いて

ついて来る大樹を振り返る。



非常階段のドアを開けると

部活生たちの掛け声や喧騒が

一際大きくなった。



「うん、いい感じ」



グランドで練習をするサッカー部が

よく見える。



「カエ〜? なんで非常階段なんだ?」



追いついた大樹が

キョロキョロと辺りを見回して言った。



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