放課後ランディング
「うん! おすすめ」



大樹の笑顔が見られて

嬉しかった。



元気付けられたかな?



「それよりお前、大丈夫なのか?」

「へ?」



ナニが?



「部活、抜けて来たんじゃなかったっけ?」

「あぁぁ〜っ!!」



そうだった

ヤバい! かなりヤバい!!



「行かなくちゃ!」



夏慧は、あわてて

非常階段を降りようとした。



「あっ、カエ! これ」



見上げると、頭上に四角い影が降って来た。



えっ!?



バフっと頭の上が

柔らかい感触に包まれた。



「タオル……」



そう言えば、コレを取りに来たんでした。



「使ってないヤツだから」



大樹の? 

貸してくれる? みたい……。



「あ、ありがとう」

「おう! いい情報を教えてくれたお礼、ちゃんと返せよ?」

「うん、助かった、サンキュ!」



夏慧は、大樹に手を振ってから

急いで体育館まで走った。



なんだかとても晴れやかで

嬉しい気持ちでいっぱいだった。



< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop