放課後ランディング
中学時代の鈴木くん

今より幼い顔で、でも今と変わらず

サッカー好きで

いつも楽しそうで……。



想像するだけで

由依を笑顔にする。



やっぱり、好きだなぁ……。



屈託のない大樹の笑顔

どうしたら自分のものになるだろう?



「そろそろ行かなくていいんか?」

「あっ、本当だ、行かなきゃヤバそう」



紅白戦が終わって休憩が始まっていた。

マネージャーは

みんなの休憩中が一番忙しい。



「行くね、無理しないで早く帰ってね?」

「おぅ! 差し入れ美味かった、サンキュ」



今日一番の笑顔に

胸がきゅうっとなりながら

由依は、手を振ってその場を離れた。



容赦ない直射日光が

由依の頭を焼き始める。



暑くても、汗だくでも

サッカー部のマネージャーになってよかった。



グランドを突っ切って

みんなが待つクラブハウスへ

由依は、急いだ。


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