僕の歩く空
僕は父を憎んだ。
母を憎んだ。
自分も憎かった。
早苗はもう立ち直れないだろう。
僕は早苗にあの日二人で作ったジクソーパズルをプレゼントした。
完成した絵は幸せいっぱいで、いつでも心に春をもたらしてくれる。
早苗の心にもいつか花が咲く事を願い、僕は早苗の部屋にそれを飾った。
部屋を出る時、早苗の肩をそっと抱き締めた。
早苗は窓の外を眺めたままだったが、早苗の肩は確かに暖かく、そこには生命があった。
僕のぬくもりを早苗も感じてくれただろうか。
僕は部屋を後にし、次の日の朝、祖父母に見送られ、東京に戻った。