僕の歩く空
先生と僕
たかしは母子家庭だったが、美人の母親がスナックを経営しており、なかなか繁盛していて、生活は安定していた。むしろ裕福な方だった。
ただ母とはあまり顔を合わす時間もなく、心はどこかすれ違い、お互いが気を遣っている状況だった。
たかしが学校に何時に行こうと、母は何も言えずにいた。
また、たかしも母親が眠りについた後、天気の良い日は洗濯物を済ませてから、また少し眠り、昼頃に学校に行くという感じだった。
そんな生活なので学校では、たかしは浮いていて、不良扱いされていた。
たかしは家に帰り、秀司が言っていた事をベットに寝転がり考えていた。
母はもう店の準備をしていて、もうすぐ自分の支度をしに家に戻ってくる頃だった。店は家から少し離れた所にあり、母はわざわざ車で移動していた。
たかしはボーっとしながら「明日かぁ。」
とつぶやいた。
あの家庭科の教師…
確かに若くて、魅力的だが、あの学校という狭い世界でのレベルにすぎないと、たかしは思っていた。
やはり秀司の言っている計画はなしにしよう。
たかしは無謀でバカな計画の事は考えないようにしたが、年頃の男子の頭には、それなりにいやらしいことがよぎるもので、その日は気付くとあの家庭科教師の事を考えている、そんな自分に腹を何回たてたことか。
そして、ついに夜が明け、当日の昼を過ぎた頃。