僕の歩く空
いつものように体育館の屋根で寝ていると、人の気配がした。

秀司が来たなと思い、たかしは昨夜あまり寝れなかったせいもあり、そのまま寝ていた。

少しすると、いやに秀司がおとなしいのも気になり、目を覚ますと。

そこで寝ていたのは、美香だった。

たかしはドキっとした。

美香は仰向けに寝ていて、たかしと同じように片方の腕で目を隠し、光を遮りながら寝ている。

白い肌は眩しいくらいで、仰向けのせいか胸も目立つ。
たかしは目のやり場困りながらも、美香に声をかけた。

「おい、何やってんだよ。」

「ここ気持ちいね。」

「起きてたのか、何でここにいるんだよ。」

「言っとくけど、ここ丸見えよ。」

「え!! どこから。」
たかしは少し焦った。
誰にも見えない位置のはず。

美香は鼻で笑って、仰向けのまま言った。
「教えてあげない。」

「なんだよ、嘘なのか?」
「嘘じゃないわ、ちゃんと見えるの、たかしが昼過ぎによくここで寝てる所、たまに秀司君も来るでしょ?ふふふ。」

「別に見られててもいい、誰にも邪魔されなきゃな、おまえも下行けよ。」

そう言いながら、たかしはドキドキしていた。

「たかし短気ね、どこから見えるか教えてあげる、ほら仰向けになって。」

たかしは素直に仰向けになった。
その瞬間、美香はたかしにキスをした。

「嘘、ここは誰にも見られてないわ。」

「…何すんだよ。」

「あなたがここにいる事なんてみんな知ってる、でも見れはしないけどね、体育館の窓から登って行ける所はここだけでしょ。」

たかしは何もできなかった。

美香はたかしの顔を覗きこみ、もう一度キスをすると
「あたし、たかし好きよ、じゃ、おやすみ。」

そう言って下に降りていった。
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