最初のものがたり
「誰に言われたんだよ」
言ってもいいのかな、また怒るんじゃ。
「ツバサに?」
先に勇磨に言われ困った。
しかも。
「かわいい」、は盛った。
困って困って勇磨を見てうなずいた。
私の頭を軽く叩くように触れ、
そのまま手を置いて髪をぐちゃっと掴む。
「ばーか。それ、お世辞だ」
違うよ、
ツバサくんはお世辞なんて言わないもん。
だから、すごく。
「すごく、何?」
勇磨の目が悲しそうだ。
私ってバカだな。
ツバサくんの話、
勇磨が気にするの分かってたのに。
「何?」
すごく嬉しくて、すごく心に残って、
すごくすごく、好きになったんだよ。
だけど、そんな事は言えない。
「すごく、驚いた」
ナイス、私。
いいの、思いついた。
自分ではかなり満足だったけど、
勇磨は微妙な顔をした。
「嘘ついたバツ」
そう言って私に近付き、ぎゅっと抱きしめた。
「ちょっと、勇磨!離してよ。嘘なんて」
でも勇磨は離してくれないどころか、
強く力を込めた。
顔を私の髪に埋めるから、
首元に勇磨の呼吸を感じる。
「ごめんね、ナナちゃん。
ヤキモチ妬いちゃっただけだから、
許してね。
ナナがツバサにかわいいって
言わせる浴衣姿で祭りに行くの、
嫌だなって。
他の男がナナに声かけたら、
とか考えるの情けないよな」
勇磨。
その心配はないよ。
私、モテないって、何度も言ってるのに。
それに。
「勇磨、私、チカに断られたんだ。
チカ、中井くんと2人で行くって。
だから、私は行かないと思うよ。
今更、誰か誘うの、面倒だし」
その言葉にちょっと体を離して私を見た。
「今井チカに振られたの?だっせ」
うるさい。
「ミアンが言ってたな。
女の友情なんて、
男の前ではガタガタに崩れるって。
そうか、そうか、振られたか」
なんだよ、超、楽しそうじゃん。
ムカツク!
勇磨の腕から逃れ体を離すと、
また引き寄せられた。
「ごめん、うそうそ。安心したの。
そっか。花火大会、行けないのか。
可哀想だな。じゃあ、俺と行く?」
抱きしめられたまま勇磨を見上げたから、
至近距離に驚く。
「勇磨は大会に集中して」
また甘えモード
「えーナナと花火見たい。」
お子さまか!
「勇くんは、いい子で、
部活ね。頑張りなさい」
勇磨はスネた顔したけど、
すぐにニヤッと笑う。
「分かった、ママ、いい子でいるね。」
そのまま私にちゅっと軽くキスをした。
また、キスした!
驚いて渾身の力を入れ勇磨を突き放した。
「痛ってぇな。何すんだよ」
何すんだよ。は、こっちのセリフ。
「ママにちゅって、するだろ。
子どもはさ。いい子にしてるご褒美に」
え、するの?
しないよね?
あれ、するのか。
どうだっけ?
そんな事で悩む私の姿に勇磨が爆笑する。
「キスされた事はいいんだな。
俺、ちょっと期待しちゃうよ。
してもいいなら、もう1回したいんだけど」
そう言って近づく勇磨を両手で拒否した。
ゲラゲラ笑う。
「やっぱダメか。
でもさ、今日、来て良かった。
ムカツク事もあったけど、収穫あったしね。
俺、もう、行くね。
ナナちゃん、浮気しないでね。」
そう言って笑いながらかけて行った。
後に残された私は変なドキドキに襲われ不安になる。
勇磨といると落ち着かない。
ドキドキして怖くなる。
自分がよく分からなくなる。
ペースが崩されて焦る。
だけど会えると嬉しい。
キスされたのに、嫌じゃなかった。
どうかしてるな、私。
こんなに怖くて焦るの初めてだ。
夏休みで良かった。
私、どうしちゃったのかな。
勇磨は友達なのに。
なんでこんな風に思うんだろう。
言ってもいいのかな、また怒るんじゃ。
「ツバサに?」
先に勇磨に言われ困った。
しかも。
「かわいい」、は盛った。
困って困って勇磨を見てうなずいた。
私の頭を軽く叩くように触れ、
そのまま手を置いて髪をぐちゃっと掴む。
「ばーか。それ、お世辞だ」
違うよ、
ツバサくんはお世辞なんて言わないもん。
だから、すごく。
「すごく、何?」
勇磨の目が悲しそうだ。
私ってバカだな。
ツバサくんの話、
勇磨が気にするの分かってたのに。
「何?」
すごく嬉しくて、すごく心に残って、
すごくすごく、好きになったんだよ。
だけど、そんな事は言えない。
「すごく、驚いた」
ナイス、私。
いいの、思いついた。
自分ではかなり満足だったけど、
勇磨は微妙な顔をした。
「嘘ついたバツ」
そう言って私に近付き、ぎゅっと抱きしめた。
「ちょっと、勇磨!離してよ。嘘なんて」
でも勇磨は離してくれないどころか、
強く力を込めた。
顔を私の髪に埋めるから、
首元に勇磨の呼吸を感じる。
「ごめんね、ナナちゃん。
ヤキモチ妬いちゃっただけだから、
許してね。
ナナがツバサにかわいいって
言わせる浴衣姿で祭りに行くの、
嫌だなって。
他の男がナナに声かけたら、
とか考えるの情けないよな」
勇磨。
その心配はないよ。
私、モテないって、何度も言ってるのに。
それに。
「勇磨、私、チカに断られたんだ。
チカ、中井くんと2人で行くって。
だから、私は行かないと思うよ。
今更、誰か誘うの、面倒だし」
その言葉にちょっと体を離して私を見た。
「今井チカに振られたの?だっせ」
うるさい。
「ミアンが言ってたな。
女の友情なんて、
男の前ではガタガタに崩れるって。
そうか、そうか、振られたか」
なんだよ、超、楽しそうじゃん。
ムカツク!
勇磨の腕から逃れ体を離すと、
また引き寄せられた。
「ごめん、うそうそ。安心したの。
そっか。花火大会、行けないのか。
可哀想だな。じゃあ、俺と行く?」
抱きしめられたまま勇磨を見上げたから、
至近距離に驚く。
「勇磨は大会に集中して」
また甘えモード
「えーナナと花火見たい。」
お子さまか!
「勇くんは、いい子で、
部活ね。頑張りなさい」
勇磨はスネた顔したけど、
すぐにニヤッと笑う。
「分かった、ママ、いい子でいるね。」
そのまま私にちゅっと軽くキスをした。
また、キスした!
驚いて渾身の力を入れ勇磨を突き放した。
「痛ってぇな。何すんだよ」
何すんだよ。は、こっちのセリフ。
「ママにちゅって、するだろ。
子どもはさ。いい子にしてるご褒美に」
え、するの?
しないよね?
あれ、するのか。
どうだっけ?
そんな事で悩む私の姿に勇磨が爆笑する。
「キスされた事はいいんだな。
俺、ちょっと期待しちゃうよ。
してもいいなら、もう1回したいんだけど」
そう言って近づく勇磨を両手で拒否した。
ゲラゲラ笑う。
「やっぱダメか。
でもさ、今日、来て良かった。
ムカツク事もあったけど、収穫あったしね。
俺、もう、行くね。
ナナちゃん、浮気しないでね。」
そう言って笑いながらかけて行った。
後に残された私は変なドキドキに襲われ不安になる。
勇磨といると落ち着かない。
ドキドキして怖くなる。
自分がよく分からなくなる。
ペースが崩されて焦る。
だけど会えると嬉しい。
キスされたのに、嫌じゃなかった。
どうかしてるな、私。
こんなに怖くて焦るの初めてだ。
夏休みで良かった。
私、どうしちゃったのかな。
勇磨は友達なのに。
なんでこんな風に思うんだろう。