愛しの鳥籠〜独占欲は凶器篇〜
ターゲット
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翌朝、僕がランの朝食を作り終え、仕事へ行く準備を終えてもランはリビングに姿を現さなくて、ソロリと忍び足で寝室のドアの隙間から覗けば、ランはまだ睡眠を貪っていた。
その姿を見て、申し訳ない気持ちが1割
もっともっとランを味わいたい気持ちが9割。そのふたつが僕の頭の中を占めた。
そっとその場から離れようとした時、ランがもぞっと動いて、上半身をなんとか起こしその寝惚け眼(まなこ)で
「ん…、ユ、キ…?」
一生懸命僕を探す物だから、そんな事されたらこのまま仕事に行くなんて無理だった。
僕は一目散にランのいるキングサイズのダブルベッドへと歩を進め、あっという間にランをこの胸におさめた。
「…おはよ、ラン」
そのままチュッとリップ音を鳴らして軽く口付ければ、ランはポヤンとしながらもフフッと幸せそうに微笑んだ。
…あー、たまらないなぁ。
勝手にムラムラしていると、ランが徐(おもむろ)にベッドのそばの時計を見て時間を確認した途端、
「やだ!もうユキお仕事行く時間じゃないっ!わたしっ…」
「大丈夫だよ。まだ少し時間に余裕あるから。それに、昨夜ランに無茶させたのは僕だしね」
悪戯っぽく笑えば、思い出したのかランの顔が羞恥心でみるみる赤く染まっていった。