社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「そうか? 俺のプライベートをオープンにしたいと思っていたところだ。結婚式はド派手にしよう」
「しなくていいのっ!」
スマホでなにかしようとした要人を止めた。
わかってるくせに、自分がやりたいだけのド派手な結婚式。私がド派手な結婚なんて、望むわけがない。
嫌がらせにもほどがある。
「結婚式は地味でいいからっ! それより、扇田工業はどうなるの?」
「扇田工業なんかどうでもいだろ? 大事なのは結婚式だ」
じろりとにらむと、要人は目を逸らし、焼き豆腐を箸で崩しながら、渋々教えてくれた。
「緊急株主総会が開かれた。粉飾に関わった社長は解任。早い話がクビ。不正をしたんだから、当たり前だ」
肉をすっかり食べきり、うどんを最後に入れてもらう。
甘辛で味が染みたうどんが美味しい。
「志茉。食べ終わったら、宮ノ入グループ本社に行くぞ」
「本社?」
「会長たちに挨拶する。ちゃんと志茉を紹介しておかないと、またお見合いしろとか言い出して、利用されるからな」
「利用されるって……」
どうやら、宮ノ入グループの会長たちは、要人の同類のようだ。
「しなくていいのっ!」
スマホでなにかしようとした要人を止めた。
わかってるくせに、自分がやりたいだけのド派手な結婚式。私がド派手な結婚なんて、望むわけがない。
嫌がらせにもほどがある。
「結婚式は地味でいいからっ! それより、扇田工業はどうなるの?」
「扇田工業なんかどうでもいだろ? 大事なのは結婚式だ」
じろりとにらむと、要人は目を逸らし、焼き豆腐を箸で崩しながら、渋々教えてくれた。
「緊急株主総会が開かれた。粉飾に関わった社長は解任。早い話がクビ。不正をしたんだから、当たり前だ」
肉をすっかり食べきり、うどんを最後に入れてもらう。
甘辛で味が染みたうどんが美味しい。
「志茉。食べ終わったら、宮ノ入グループ本社に行くぞ」
「本社?」
「会長たちに挨拶する。ちゃんと志茉を紹介しておかないと、またお見合いしろとか言い出して、利用されるからな」
「利用されるって……」
どうやら、宮ノ入グループの会長たちは、要人の同類のようだ。