社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「そ、それも知っているの!?」

 実は週末に二人で婚姻届を出したばかり。
 その後、要人はディナーに連れて行ってくれて、指輪ももらった。
 結婚式はまだだけど、先に籍だけ入れてしまおうということになったのだ。

『社内報の社長インタビューに載ってたけど。二人のエピソードを写真付きでね。詳しく聞く?』
「お願い、言わないで! 会社に行けなくなるから!」
『わかったわ』

 どの写真なのか、気になるけど、要人が選ぶ写真なんて、とんでもない写真に違いない。
 恥ずかしすぎて、どんな顔をして、会社のみんなと会えばいいのか……
 クッションに顔を埋めて、しばし、動けなくなった。

『まあ、落ち着いたら、飲みにいきましょ』
「……それ、まだ、落ち着いてないってことよね?」
『当分は無理じゃないの? だって、仁礼木先輩って、沖重グループ内どころか、宮ノ入グループでも狙ってた女性社員が多かったし、取引先からもお誘いが多かったから』

 そういえば、そうだった。
 要人がモテることをすっかり忘れていた。
 恵衣は受付で、色々耳にしているようだったけど、詳しく教えてくれない。

「私はどうしたらいい!?」
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