社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「悔しいけど、仁礼木先輩には敵いません! というより、嫉妬が怖くて、勝ちたくないわよ……。だいたい、志茉覚えてる?」
「え? なにを?」
「高校生の時に、付き合った男子のことよ」
十六歳の時、告白されて付き合った他校の男子。
スポーツをしていて、とても爽やかな男子高校生だった気がする。
生まれて初めて告白されたから、すごく嬉しくて、要人にも自慢した。
要人は告白されて当たり前の生活だったから、私の気持ちはわからなかったみたいで、自慢しても反応が薄かった。
「うん。覚えてるわよ」
「本当に?」
「もちろん」
青春の一ページ、淡い恋心と、すぐに駄目になった恋人関係――どうして、駄目になったんだっけ?
「……あれ?」
駄目になった理由が思い出せない。
でも、自然消滅だった気がする。
向こうが部活で忙しくて、会えなくなったのが原因で終わった。
「あの男子高校生、苗字は違うけど、湯瀬さんだからね」
「えっ!?」
驚くと、恵衣は冷たい目で私を見る。
「親が離婚して、苗字が変わったんだって。でも、向こうは志茉を覚えていたわよ」
「え? なにを?」
「高校生の時に、付き合った男子のことよ」
十六歳の時、告白されて付き合った他校の男子。
スポーツをしていて、とても爽やかな男子高校生だった気がする。
生まれて初めて告白されたから、すごく嬉しくて、要人にも自慢した。
要人は告白されて当たり前の生活だったから、私の気持ちはわからなかったみたいで、自慢しても反応が薄かった。
「うん。覚えてるわよ」
「本当に?」
「もちろん」
青春の一ページ、淡い恋心と、すぐに駄目になった恋人関係――どうして、駄目になったんだっけ?
「……あれ?」
駄目になった理由が思い出せない。
でも、自然消滅だった気がする。
向こうが部活で忙しくて、会えなくなったのが原因で終わった。
「あの男子高校生、苗字は違うけど、湯瀬さんだからね」
「えっ!?」
驚くと、恵衣は冷たい目で私を見る。
「親が離婚して、苗字が変わったんだって。でも、向こうは志茉を覚えていたわよ」