社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「俺といるときは無制限だ」
都合のいい門限の条件に、頬がひきつった。
鉄板焼店の中は、煉瓦の壁とアンティーク調の木製ドア、オレンジ色の灯りがともるランプが並んだ通路。
大人な雰囲気がある素敵なお店だ。
このお店は、お肉が柔らかくて美味しいし、メニューも充実していて、文句を言うつもりはないけど――
「要人。私にも人付き合いがあるの。今日みたいなことするの何回目? もう平気だから、要人は自分の付き合いを大事にして」
きつめに言ってしまったけど、私に良かれと思って、誘ってくれた恵衣に申し訳ない。
それに、要人が自分の歓迎会をすぐ終わらせたのは、私が飲み会に行くとわかったからだと思う。
なにも言わないけど、要人がそう考えて行動した可能性は高い。
「数えてないから、わからないな。志茉はレモンサワーだよな」
「話を聞きなさいよ」
「なあ。志茉、いくつになった?」
「今年で二十五歳よ」
「俺は二十八歳なる」
要人の顔を見て、ドキッとした。いつもと違う真剣な顔に、戸惑い、メニューをめくる手を止めた。
「俺にいくつか見合いの話がきている」
都合のいい門限の条件に、頬がひきつった。
鉄板焼店の中は、煉瓦の壁とアンティーク調の木製ドア、オレンジ色の灯りがともるランプが並んだ通路。
大人な雰囲気がある素敵なお店だ。
このお店は、お肉が柔らかくて美味しいし、メニューも充実していて、文句を言うつもりはないけど――
「要人。私にも人付き合いがあるの。今日みたいなことするの何回目? もう平気だから、要人は自分の付き合いを大事にして」
きつめに言ってしまったけど、私に良かれと思って、誘ってくれた恵衣に申し訳ない。
それに、要人が自分の歓迎会をすぐ終わらせたのは、私が飲み会に行くとわかったからだと思う。
なにも言わないけど、要人がそう考えて行動した可能性は高い。
「数えてないから、わからないな。志茉はレモンサワーだよな」
「話を聞きなさいよ」
「なあ。志茉、いくつになった?」
「今年で二十五歳よ」
「俺は二十八歳なる」
要人の顔を見て、ドキッとした。いつもと違う真剣な顔に、戸惑い、メニューをめくる手を止めた。
「俺にいくつか見合いの話がきている」