社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「じゃあ、アパートの出入りは禁止ね。危険だから」
出入り禁止を告げ、レモンサワーを一口飲む。
爽やかな口当たりと、すっきりした味わいが肉の脂っぽさを消してくれる。
要人のほうは、肉どころじゃないらしく、一口も手をつけてない。
本気であることがわかる。
「なんでだよ! せっかく一緒に出勤しようと思って、志茉の好きそうな地味めな車にしたのに」
「マセラティが地味だと思ってんのは要人だけよ! フェラーリじゃなかったら、許されるとでも思ってんの!?」
「明日から、一緒に出勤しようと思って、運転手も断ったんだぞ」
「目立ちたくないって言ってるでしょ!」
「会社の近くで降ろすから、いいだろ。ほら、遠慮しないで注文しろよ。胸に栄養足りてないからな。しっかり食べろ」
「余計なお世話よ!」
正直に言えばいいってものじゃない。
よくもはっきりと、私が気にしていることを言ってくれたものだ。
要人からメニューを奪い取り、仕返しに高い肉を遠慮なく注文した。
高い肉をこれでもかと食べる私を嬉しそうに眺めているのを見て、いつもの敗北感を味わうまで、あと少し。
結婚うんぬんの話をしたのに、私たちはやっぱり恋人同士ではなく、幼馴染のままで、お互い悪態をつく関係のままだった。
出入り禁止を告げ、レモンサワーを一口飲む。
爽やかな口当たりと、すっきりした味わいが肉の脂っぽさを消してくれる。
要人のほうは、肉どころじゃないらしく、一口も手をつけてない。
本気であることがわかる。
「なんでだよ! せっかく一緒に出勤しようと思って、志茉の好きそうな地味めな車にしたのに」
「マセラティが地味だと思ってんのは要人だけよ! フェラーリじゃなかったら、許されるとでも思ってんの!?」
「明日から、一緒に出勤しようと思って、運転手も断ったんだぞ」
「目立ちたくないって言ってるでしょ!」
「会社の近くで降ろすから、いいだろ。ほら、遠慮しないで注文しろよ。胸に栄養足りてないからな。しっかり食べろ」
「余計なお世話よ!」
正直に言えばいいってものじゃない。
よくもはっきりと、私が気にしていることを言ってくれたものだ。
要人からメニューを奪い取り、仕返しに高い肉を遠慮なく注文した。
高い肉をこれでもかと食べる私を嬉しそうに眺めているのを見て、いつもの敗北感を味わうまで、あと少し。
結婚うんぬんの話をしたのに、私たちはやっぱり恋人同士ではなく、幼馴染のままで、お互い悪態をつく関係のままだった。