社長はお隣の幼馴染を溺愛している
挑発
秘書課に配属された愛弓さんだけど、たった半日で、社内を混乱させた。
お茶を頼まれれば、湯呑みを割り、書類を運ぶよう頼んだら、違う部署に届け、秘書課の先輩の手帳を勝手に覗き――
「すみませーん。コピー機、壊しちゃって」
次はコピー機を詰まらせてしまったようだ。
「い、いや、扇田さんのせいじゃないから……」
一緒にいた教育係の社員は、頬をひきつらせ、コピー機の詰まりを直す。
さっきは間違えて大量にコピーをして、コピーが終わった紙を揃えられず、床にばらまき、周囲の社員が拾った。
本人は知らん顔である。
そんなことの連続だったから、コピー機を使いたい人たちで、コピー機前は行列になっていた。
「あ、ちょうどよかった。倉地さん。これ、社長室まで持っていってほしいんだけど、頼めないかな」
「えっ……! 私ですか!?」
「急ぎだから。ごめん」
教育係になった哀れな男性社員は私のひとつ上の先輩で営業部配属。どうやら、秘書課から、愛弓さんを押し付けられたのだろう。
「コピー機の詰まりを早く直さないと、仕事に支障がでるからさ……」
コピー機は一台だけじゃないから、他へ行けばいいけど、そちらも当然、使用中。
お茶を頼まれれば、湯呑みを割り、書類を運ぶよう頼んだら、違う部署に届け、秘書課の先輩の手帳を勝手に覗き――
「すみませーん。コピー機、壊しちゃって」
次はコピー機を詰まらせてしまったようだ。
「い、いや、扇田さんのせいじゃないから……」
一緒にいた教育係の社員は、頬をひきつらせ、コピー機の詰まりを直す。
さっきは間違えて大量にコピーをして、コピーが終わった紙を揃えられず、床にばらまき、周囲の社員が拾った。
本人は知らん顔である。
そんなことの連続だったから、コピー機を使いたい人たちで、コピー機前は行列になっていた。
「あ、ちょうどよかった。倉地さん。これ、社長室まで持っていってほしいんだけど、頼めないかな」
「えっ……! 私ですか!?」
「急ぎだから。ごめん」
教育係になった哀れな男性社員は私のひとつ上の先輩で営業部配属。どうやら、秘書課から、愛弓さんを押し付けられたのだろう。
「コピー機の詰まりを早く直さないと、仕事に支障がでるからさ……」
コピー機は一台だけじゃないから、他へ行けばいいけど、そちらも当然、使用中。