社長はお隣の幼馴染を溺愛している
「もしかして、彼氏ですかぁ? こんな高価な腕時計をプレゼントしてくれる彼氏がいるんですね」
「えっ、ええ……まあ……」
彼氏ではないけど、愛弓さんに説明する時間が惜しくて、曖昧な返事をして誤魔化した。
「やっぱり! 私もそんな彼氏ほしーい」
「扇田さん。コピー機の詰まりが直ったし、次は営業部へ案内するよ」
「はぁーい。愛弓、お仕事が忙しいので、これで失礼します」
コピー機前の社員たちは、殺気立っているというのに、本人はまったく気づいてない。
私のコピーは、経理課の子が引き受けてくれ、頼まれた書類を持ち、社長室に向かう。
「要人と会わないように、そっと置いてこないとね」
社内で近づかないように、要人に言ってる手前、仕事とはいえ、社長室に入るのは、ちょっと気まずい。
社長室のドアをノックしても返事がない。
鍵はかかってないから、今は会議中で留守のようだ。
「よかった。誰もいないみたい」
立派な革のソファー、額縁に入った絵画、眺めのいい社長室。
社長というだけあって、経理課の狭い部屋とは大違い。
窓から見える景色をぼんやり眺めてしまった。
「えっ、ええ……まあ……」
彼氏ではないけど、愛弓さんに説明する時間が惜しくて、曖昧な返事をして誤魔化した。
「やっぱり! 私もそんな彼氏ほしーい」
「扇田さん。コピー機の詰まりが直ったし、次は営業部へ案内するよ」
「はぁーい。愛弓、お仕事が忙しいので、これで失礼します」
コピー機前の社員たちは、殺気立っているというのに、本人はまったく気づいてない。
私のコピーは、経理課の子が引き受けてくれ、頼まれた書類を持ち、社長室に向かう。
「要人と会わないように、そっと置いてこないとね」
社内で近づかないように、要人に言ってる手前、仕事とはいえ、社長室に入るのは、ちょっと気まずい。
社長室のドアをノックしても返事がない。
鍵はかかってないから、今は会議中で留守のようだ。
「よかった。誰もいないみたい」
立派な革のソファー、額縁に入った絵画、眺めのいい社長室。
社長というだけあって、経理課の狭い部屋とは大違い。
窓から見える景色をぼんやり眺めてしまった。